フツーから早稲田へ。

「普通だった」高校生が半年の自宅浪人で早稲田に合格した受験術・戦略・勉強法を、分かりやすくお教えします。

【英語】早稲田大学文学部・文化構想学部対策【過去問研究】→新傾向対応

※2017年度以降の形式に対応させました。

 

当ブログでは、英語の過去問研究を行っていきます。

予備校のホームページや赤本、青本の解説では、解説も簡素で、具体的なところまでは掘り下げられていないでしょう。おすすめ参考書も(大人の事情から)ふつうは紹介されていませんが、このブログでは……

1.過去問の内容分析

2.必要となる能力を提示

3.その能力を高める具体的なおすすめ参考書(と使用方法)

 

の3点を詳しくご説明していこうかなと思います。

特におすすめ参考書に関しては、「これ全部ちゃんとやれば受かる」というものを、余すところなくご紹介。必ず参考になるはずです。

まずはリムの在籍する、早稲田大学文化構想学部。そして形式がまったく同じ文学部を同時に攻略していきます!自力でこれでもかというほど研究し(毎週過去問とにらめっこして戦略と計画を立て直しました)合格した学部なので、気合が入っております。

 

求む、俺の後輩!

 

1.過去問分析

※再編して文学部・文化構想学部の形となった以降、出題形式がまったく同じ文学部・文化構想学部。試験日が違うことから、題材となる英文は違うが、難易度も同じくらい。

なお、合格最低点は(成績標準化を考慮して)7割程度です。センター併用入試の場合はもう少し高い得点が要求されます。他に得意教科がない限り、英語では8割を目標にやるといいと思います。

僕自身も過去問でそのくらいを取れるようプランを組みました。

大問構成と配点

※ぜひ、お手元の過去問をご覧ください。

[1]A B 語句補充:AB共に各1点。[7/7=14点]

[2]A B C内容一致:ABは各2点。Cのみ各3点。[4/6/15=25点]

[3]文挿入問題:各3点。[21点]

[4]会話問題:各1点。[7点]

[5]要約問題:8点。[文法4点、内容4点]

 ※独自の調査による予測。

大問別解説

【1:語句補充】―文法か?文脈か?

語句補充には2パターンある。「文法・語法系」と、「文脈系」だ。

「文法・語法系」は、分からなかったらいくら悩んでも正解することはできない。わからなければ素直に飛ばすこと。

逆に、「文脈系」は、すべて正解したい。単語が分からないのでなければ解けるはず。

必ず過去問を解き終えたら、自分の間違えた問題が「文法・語法系」と「文脈系」どちらに属すのかをチェックすること。

配点が1点なので、あまり悩みすぎずに、文脈でとらえられない語はばっさり切ることが求められる。ここで時間を圧迫しすぎないことがポイント。

なお、語彙レベルは比較的高めのものを要求されている。

大問別重要度:★★☆☆☆

目標:10点以上(易化の年は12点以上)

時間の目安:AB合わせて15分

 

【2:内容一致】―易しい。満点で差をつけろ!

Aが200語程度、Bが300語程度、Cが500語程度。

配点にも差があり、A,Bが2点、Cが3点。

配点が高い割に難易度がやさしく、おいしい。ここで満点を取りたい。

単語帳、熟語帳をしっかり終え、精読の勉強を丹念にやれば満点は堅くなる。必ず、問題のリード文(選択肢以外)をチェックしてから本文に入ること。

大問別重要度:★★★★☆

目標:満点(最低でも1ミス)

時間の目安:A5分、B10分、C15分=30分。

 

【3:文挿入】―合否の分かれ目。じっくり時間をかけて

最も得意不得意が分かれるが、合格したいならば満点を取るつもりでいかなければいけない。文学部、文化構想学部独特の問題なので、過去問は全て解こう。

解答するときには、文脈の前に文法を意識する。冠詞(aかtheか)、指示語

それから文の構成を左右する接続詞、副詞に気をつける。それらをヒントにして解くのに慣れるため、演習がたっぷり必要だ。

もちろん、単語力と精読力、800語程度の英文を読み切る集中力も問われている。

この問題は焦って解くと自滅する。1つのミスが別のミスを呼ぶからだ。時間に余裕を持って解きたい。25分たっぷりかけてやろう。

なお、ダミー選択肢が一つだけ含まれている。

大問別重要度:★★★★★

目標:満点(許せるのは2ミスまで)

時間の目安:25分。焦りは禁物だ。

 

【4:会話】―配点低い、難易度低い

熟語をしっかりやっておけば、他に特に対策する必要なし。

配点も1点なので、あまり気にせず他の大問に向けて勉強をしていればよい。いつの間にか高得点が取れるようになっているはずだ。(もしくは、最初から解けるはず)

会話表現もたまに出題されるが、費用対効果が低いので、センターレベルを確認する程度でOK。

大問別重要度:★☆☆☆☆

目標:2ミスまでOK

時間の目安:5分。時間をかけすぎない。

 

【5:要約★新傾向に対応】ー方法を知らなければ勝てない

2017年に傾向が変化した。早稲田文・文化構想の英語で傾向が変化した唯一の問題。

「一文で要約する」という大きな趣旨は変わらないが、書き出しが与えられる形に変化した。(つまり易化した。)

ただし、結論から言うと、対策としてやることは変わらない。

 

最も差がつく大問。実は、緊張しいなリムが得意の長文(大問3)で6点を失うケアレスミスをし、とてもまずい状況になっていた。しかしこの要約で満点を確信する答案を書き上げていたので、合格を勝ち取った決め手となった。そんな思い出深い大問だ。

解答方法が独特。東大型の要約ではなく、英語一文で要約し、解答用紙に書かなくてはいけない。だから、解答の作り方を学ばなくてはならないだろう。(※ぴったりの参考書あり。)

「なんだこれ。長文得意だし、対策めんどくさそう。配点も「8点」だし捨てでいいっしょー」

という気持ちの人は考え直すべきだ。少し手間はかかるが、文学部・文化構想学部に安全に合格するためなら。

というのも、これ、高得点を取れる人は安定して取れるし、何もやってない人はまず間違いなく正しい答案を書けないため、0点で安定する。

0か8かの違いは大きい。(英語全体の得点の1割を占めるのだ!)

のちに紹介する、参考書2冊(しかも1冊は本当にある部分だけの使用でOK)だけで対策が終わる。2ヶ月あれば全然間に合うから(頑張れば1ヶ月でも可能)文・文化構想に入りたい人はぜひ対策してから試験場に臨んでほしい。取り組み方は参考書のところで詳しく解説するが、

①英作文の基本例文を書き方を理解しながら暗記する

②この問題独特の解答作成方法と、採点基準を知る

この2点に取り組めばOKだ。

大問別重要度:★★★★☆

目標:7点以上(内容満点、文法3点)

時間の目安:15分。経験上、10分だと余裕がなく焦る。

 

※おまけ 当時のリムの戦略(目標点)

【1:語句補充】10/14点(-4)

【2:内容一致】22/25点(-3) 

【3:文挿入】18/21点(-3) 

【4:会話問題】6/7点(-1)

【5:要約】7/8点(-1) 

(※2,3,5は実際は満点狙い。ケアレスを考慮)

【合計目標点】63点

 

まとめ:【大問2,3,5】で差をつけ8割(5分)超えを狙え!

早稲田文・文化構想の英語はかなりオーソドックスな出題になっている。

(大問2なんて「英検」を想起させるほどだ)というわけで、基礎的なことをちゃんとやれば、英語は点数が安定する。8割超えをめざそう。

実は、大問1が一番難しい。細かい語法や熟語の知識を問われるからだ。大問1の解けない問題で時間をかけすぎないように。

大問2は難易度が低く、満点を目指したいところ。ここで満点が取れないなら、語彙力と精読力のどちらか(どちらも)が不足していると見るべきだ。

クセのあるのは大問3,5だろう。大問3は豊富な演習量、大問5は基本英文の暗記と個の問題に独特な技術(後述)を要求される。これらに苦手意識を持つ人は、必ず克服してから試験場に行くこと。(克服法はこれから述べる。)

全体的に、語彙力と精読力(構文解釈力)が重視されている。特に構文解釈力は重要だから、これから取る参考書のプランもトップクラスの到達点のものを用意した。

 

2.必要となる能力、プロセス

とても必要:語彙力(①単語・②熟語)、③構文解釈力、④長文読解演習、⑤基本英文暗記、⑥一文要約の手法習得

必要:⑦基本文法・語法の理解、暗記

あまりいらない:速読力、瑣末な文法事項

※過去問演習は文・文化構想の両方を、全年度分行うこと。(少し古い過去問も手に入れよう)

 

3.使用参考書

①英単語

やっぱりお勧めはシステム英単語

システム英単語

 

↑これ1冊でも十分戦える。まずはこれを完璧に。

 

根気に自信のある人は『単語王』でもいいけど……挫折しないように。もちろん、好きな人はターゲットでもOK。

・単語王2202

↑2冊使いたくない人はおすすめできる。

 

単語力は結構必要なので、できれば2冊目に取り組みたい。

1冊目の復習をしながら背景知識を鍛えられるリンガメタリカ、さらに高い到達点を目指す人は『データベース5500』に取り組もう。

 

・話題別英単語 リンガメタリカ/CD

 

 

↑現代文にも効果アリ。基本単語をメンテしながら難単語を憶えられる。

 

・データベース5500 合格英単語・熟語

↑語彙で差をつけたい人はこちら。大問1がだいぶ楽になるはず。

 

なお、英単語の詳しい記事はこちら。取り組み方も下の記事からどうぞ。

 

②英熟語

好きなものをやって一冊やりこむ。最もおすすめは必須構文もできる『ALWAYS1001』だが、好みでどうぞ。時間に余裕がある人は到達点が高い『解体英熟語』もおすすめ。理解する『英熟語ターゲット』、読み込み不足を補う『速読英熟語』。(『速読英熟語』を選んだ人は、『ALWAYS1001』『英熟語ターゲット』でメンテを。)

 ・英熟語ALWAYS1001

↑やはり構文と熟語が上手にまとめられているのは大きい。

・英熟語ターゲット

↑『ALWAYS1001』より理解して英熟語を憶えたい人向け。デザイン◎。

 

・速読英熟語

↑あまり読み込みに自信のない、切羽詰まった受験生のサブリーダー。

 

・解体英熟語

↑到達点は最高。『解体英語構文』と合わせてじっくり取り組む。

 

・解体英語構文

選び方については、実は一番人気の記事のこちらも参照。

先日更新しパワーアップました。

navigatortopass.hatenablog.com

 

③構文解釈

構文は難しいものが出るし、一文でも解釈できないと失点につながる設問が多いため、単語と同じくらい重視したい。偏差値50程度の人は『基本はここだ!』から始める。

以下、レベル順。『入門英文解釈の技術70』、『基礎英文解釈の技術100』『ポレポレ英文解釈プロセス50』までは必ず取り組む。

『英文解釈の技術100』はそれらを終えて時間があれば。ただし、文・文化構想学部の志望者ならぜひやっておきたい。

 

・英文読解入門 基本はここだ!

↑偏差値60に満たない人はまずここから復習だ!

 

・入門英文解釈の技術70

↑英文解釈の基礎固め

 

・基礎英文解釈の技術100

↑早稲田受験生ならここまでは必須

 

・ポレポレ英文読解プロセス50

↑基本を確認・整理しながら、やや難しい文に取り組める

 

・英文解釈の技術100

↑ここまでやっておけば敵なし!

 

参考記事

 

④長文読解演習

まずは構文解釈の詳しいもので「読み」を重視(『英語長文レベル別問題集』『英語長文ハイパートレーニング』)それから『佐藤ヒロシの英語長文[マーク式]が面白いほどとけるスペシャルレクチャー』でマーク式の解法を学び、『長文読解のトレーニング』でさまざまなジャンルの文にあたりつつ、バランスよく実践をこなす。

 

・英語長文レベル別問題集

 

↑構文解説の詳しい英語長文問題集の決定版。音読も忘れずに!

↑センターレベル編はレベル4と5の間にはさむ。

↑解法の極意をこれ一冊で習得せよ!

↑難しい問題ぞろいだが、解説が詳しいので大丈夫。バランスよく演習できる。

 

英語長文の復習方法はこちら!

navigatortopass.hatenablog.com

 

⑤基本英文暗記

要約のための下地作り。ここは飛ばしてはいけない。英作文の基本を理解しながら、基本文暗記をすることができるこれを使う。

・ドラゴン・イングリッシュ 基本英文100

↑要約の基本と例文暗記はこれ一冊で十分!(傾向変化により易化したのでこれ以上は手を出さない!)

⑥一文要約の手法習得

★必読!

しかし、ドラゴン・イングリッシュで例文を暗記しても、「英語一文で要約する」という独特な形式に対して解答をつくることはできないだろう。(繋ぎ方や、やってはいけないことが分からないだろう)また、採点基準がどのようになっているのかを知らなければいけない。実は、僕らの欲しい情報を全て網羅した参考書がある。

・佐藤ヒロシの英語長文[記述式]が面白いほどとけるスペシャルレクチャー

 

↑早稲田大の一文要約を解説した問題を解こう。大学が昔公式に発表した採点基準や、一文要約のまとめ方を詳細に解説している。

これは新形式でも役に立つ。

解き終えた過去問の採点をするときも、僕は必ず横において参照していた。

⑦基本文法・語法理解

費用対効果を考えてあまりやらない。だが、語法も必要なので、いつもの○△×法を用いてそちらも一冊終わらせよう。

・深めて解ける!英文法―成川博康の英語

↑学校の文法の授業についていける人なら、文法はこれ1冊で十分。理解に特化。

 

・深めて解ける!英文法―成川博康の英語 語法&構文

↑語法・構文を効率よく切り抜けるための一冊。

 

 英文法に不安がある人はこちらも参照。

navigatortopass.hatenablog.com

 

 

以上です!お疲れ様でした。独学でない人は、必ずしもすべての参考書を使う必要はありません。自分に足りない要素を含む参考書を使用してください。

 

繰り返しますが、

語彙の充実

構文解釈力強化

たくさんの長文・過去問演習

例文暗記と要約手法の習得

がカギになります。この分野は手を抜かず、得意にしていきましょう!

ではでは、読者から後輩が出ることを強く望んでいます。

 

 

今回紹介した参考書一覧