フツーから早稲田へ。

「普通だった」高校生が半年の自宅浪人で早稲田に合格した受験術・戦略・勉強法を、分かりやすくお教えします。

【漢文】最短距離で、高得点! ―句形暗記から、センター、私大、国立の演習まで

最短距離をかけぬけろ

たとえば、センター漢文なら1ヵ月で対策可能だ。これは根拠なしに言っているのではない。

漢文ではやることが極端に少ないからだ。

①レ点の付け方、返読、再読文字などの基本事項

②10パターンの句形

③100語程度の漢字の意味と読み

④演習(あまり分量は多くない)

 あと、念のため文学史を参考書1ページ分。しかも、句形と漢字の意味と読みはとても憶えやすい参考書があるため、もしやる気があれば2週間でインプットできるだろう。

その後、センターの過去問(本試)を10年分ほど解けば対策は完了する。

1ヵ月で対策することを推奨しているわけではない。3ヵ月くらいのスケジュールで余裕をもってこなしたいが、この完成の早さを考えると、「漢文を捨てる」ということがいかに愚かなことかわかるだろう。

 

 

基本句形の習得

 この参考書は全員必須。これを使えば、漢文のインプットをありえない早さで終えることができるだろう。

・漢文早覚え速答法

・句形が最も憶えやすい。

・憶えなくてはならない漢字も収録されている。

・暗唱文は確認程度に使う。

・勉強法や演習での「解き方」に関してはちょっとイイスギなところがあるので、信用しない。

取り組み方

「いがよみ公式」を音読して憶え、練習問題を○△×法で確認。2周目以降は練習問題の△と×のみ取り組み、憶えていないところを「いがよみ公式」で確認。

漢字はまず例文の中に使われている見出し語をマーカーで目立たせてから、その意味がわかるか○△×法で演習。(見出しだけでは意味がイメージしづらいため)

・暗唱文は暇つぶし。詩の形式と文学史は出るなら直前期に憶える。

 

さて、「早覚え即答法」を完全に憶えたら、それが使える形で身についているのか確かめてみよう。その段階でおすすめなのはこちら。以下にある演習用の参考書に取り組む前段階で、時間があれば取り組むとよい(だが、取り組むのには1ヵ月かからない)

本当に切羽詰まってる人以外はぜひやってみよう。

 

・基礎からのジャンプアップノート 漢文句法

・『ステップアップノート』より到達点が高いが、早覚えの後に使うならぴったり

・早覚え即答法より少しこみいった句形も習得できる

・ちょっとした問題演習もできる

取り組み方

句形の確認も、問題演習も○△×法で。

なお、直前期の確認にはこれを使わず、『早覚え即答法』を使う。

ほぼ『早覚え即答法』の事項の確認なので、スピードを意識して高速で終わらせる。

 

 最難関大の漢文で高得点を狙いたい人

・漢文ヤマのヤマ

・『早覚え即答法』の句形では足りないところを補える。

・漢字もさらに憶えられる。

・分量が多く、暗記のポイントを絞っていないため『早覚え即答法』を完成させてから

「『早覚え即答法』と『漢文ヤマのヤマ』、どっちがいいですか?」とよく議論になるが、その質問はおかしい。

正解は、『早覚え即答法』では物足りなくて時間が余っている、難関大学(もしくは漢文が難しく、配点の高い大学)の受験生が、『漢文ヤマのヤマ』も使うというやりかただ。

『漢文ヤマのヤマ』にいきなり取り組むと挫折危険性が高い。(暗記を強いられる)早覚え即答法で出題されるポイントや、憶え方を習得してから、『漢文ヤマのヤマ』で句形のストックを充実させていく方がいいだろう。

なお、これをやるのなら『ジャンプアップノート』はいらない。

 

演習・解き方

ここからは、漢文をどの形式で使うかによって演習法を変える。

センターのみ

うん。過去問が一番の良問で、最適だろう。本試験だけ解いてほしい。

注意点は、

①出てきて、わからなかった重要漢字はストックしておくこと

②句形を使用して解ける問題は必ず句形から攻めること

の二点だ。そこに意識すれば、句形の暗記がどれだけ重要かが分かると思う。しかも、純粋に読解力を試される問題は、英語や現代文で培った読解力でほぼなんとかなるのだ。

私大型

・漢文道場 入門から実戦まで

 

・本来、私大の人はセンター演習+受ける私大の過去問だけでよい

・それでは物足りない、漢文に時間が割ける人のオプション

・やはり問題が多く、挫折率は高め

・句形を完全に理解した、時間のある人以外は手を出さない

・分量が多いため、実践編だけの使用もOK。

↑に書いたように、漢文の配点が高い最難関私大を受ける人で、漢文で超高得点を取りたい人はこちら。(間違っても、これをやることによって英語の時間が圧迫されるようなことはあってはならない)

なお、サブタイトルに「入門から実戦まで」とあるが、漢文の句形を暗記していない人がこれをやり始めたらまず挫折する。『早覚え即答法』の句形がすらすらと解けるようになってからやるべきだ。

でもZ会らしい解説の詳しさは助かる。過去問の橋渡しとして、実践編だけつまみ食いして解くという方法はありだ。

繰り返すが、普通の人は『早覚え即答法』ののち過去問に入ってOKだ。合格点ならそれで取れる。

 

国立型

・得点奪取漢文 記述対策

 

・記述の解法を学びたい人

・文系国公立志望で漢文が必要な人は必携

・『早覚え即答法』+『得点奪取漢文』+過去問だけでも合格ラインに乗れる

古文と同じく、記述式の「解き方」を学びたいならまずはこの本でやるべきだろう。

ただし、例によって、問題数は15題とやや少なめだ。ただし、解法を頭にしみこませるため、○△×法を使って、解けない問題をなくしていこう。その過程で記述の解法が頭に入るだろう。(一度演習しただけで終わらせるタイプの「問題集」ではない)

もし時間に余裕があり、この本で得たことを確認したいのであれば、『漢文道場』を使おう。

・漢文道場

 ・最難関国公立大学の場合、使用は視野に入る

・時間に合わせて、全て取り組むか、「実践編」のつまみぐいをするか決める

 

まとめ

句形暗記などインプット

1.『漢文早覚え即答法』は必須

2.普通の人は『ジャンプアップノート』で過去問への橋渡し

3.漢文で高得点を望む最難関大受験者は『漢文ヤマのヤマ』にじっくり取り組む

演習

1.センターは過去問のみでOK

2.私大も私大の過去問(+センターの過去問)でOK。

3.国公立大学受験生は『得点奪取』をやりこむ。

4.最難関大を受け、時間に余裕がある受験生は(国立私立問わず)『漢文道場