現代文 【理解】 6つのルートから1つを選べ! 誰でも現代文を攻略する方法
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もくじ
- 取り組み方の注意点
- 私大用ルート4つ
- 国立用ルート
- センター試験用ルート
取り組み方の注意点
1つのルートで筋を通せ
「はじめに」で述べたように、現代文の攻略法にはいくつかのルートが存在する。それぞれ講師がそれぞれの読解法を持っていて、僕らはそのうちの1つだけを極めなくてはいけない。たくさんの公式を詰め込んでも、運用できなければ意味がないし、同じような公式を違う言葉で言い換えているものがほとんどなので、たくさんの人の参考書を参照する必要もない。
というわけで、いくつかのルートを提示する。どのルートも正攻法で、良書ばかりだ。ルートごとにクセがあったり、対象となる層が違ったりしているので、その部分に注目して見てほしい。
もう一度言う。浮気はだめだ。
合言葉は「最初は3周、次は2周」
最初に取り組む参考書は、そのルートの読解法のエッセンスが詰まっているため、最も重要だ。だから、3周は取り組みたい。
1周目で自分の方法と正しい読解法のズレを確認し、
2周目では1周目で得た読解法が使えているかを確認していくのだ。
最後に、3周目で読解法を総確認する。3回目は問題を解かなくてもよい。
ここまで徹底的にやるからには、参考書の選び方は恐ろしいほど重要だ。
私大用ルート
①船口ルート(4冊)
こんな人に:「読むのも、現代文も得意じゃない」
・現代文が苦手な人にも対応。必要十分な演習量と、詳しい解説。
・理解と演習のバランスよし。
・迷ったらこれ。
・船口のゼロから読み解く最強の現代文
初学者への配慮が素晴らしく、無理なく実力を養成できる。参考書のレイアウトも柔らかく、現代文が苦手な人も気が楽になるだろう。ただ書いていることはけっこう本格的で、血肉にしたい内容ばかりなので、3度以上繰り返してから次にいくのが重要。
・レベルアップ問題集 船口の最強の現代文 入門編
問題演習は同じ著者のこれを使おう。解説が詳しく、他の問題集をやるよりもすんなりと解けるはずだ。全部で3冊ある。3冊ともやってしまおう。もちろん、2周だ。
・船口の最強の現代文 入試基礎編
・船口の最強の現代文 入試実戦編
②河合ルート[4冊]
こんな人に:「読むのは好き、時間がある」
・量は読んでもいいが、たくさん公式を憶えるのが嫌な人。
・「演習をゴリゴリやっていきたい」という人。
・現代文が苦手で、量を読むのが苦手な人は船口ルートがおすすめ。
・圧倒的な演習量、必要時間を誇る。時間がたっぷりと取れる人。
・難しいが、到達点高め。
・入試現代文へのアクセス シリーズ
現代文の王道ともいえるこの3つだ。一つ一つの設問に対する解説が異常なまでに詳しいので、本当にゆっくり、じっくりと進むことになるだろう。「完成編」は難しいが、「発展編」までをじっくりとこなせば解けるはずだ。
・現代文と格闘する
河合ルートのシメはこれだ。これは先ほどの三冊よりもさらに重い。
だから、ここまでの河合ルートを完成させた受験生以外は手を出さないほうがよい代物になっている。(元々現代文が得意な人でも、解説のボリュームにやられ、消化不良を起こすか、挫折する危険が非常に高い。)
しかし、河合ルートのとっても詳しい解説が好みの人にはこれ以上ない本だ。
この本が河合ルートの到達点を非常に高いものにしている。時間があり、じっくりと解説が読むのが好きな人は河合ルートだ。
しかも、ここから直接過去問につなげられる。(時間があるなら、演習編をやってもよい)
③出口ルート
こんな人に:「現代文は得意、最短距離で攻略したい」
・偏差値60以上向け。
・現代文は得意なはずだけど点数が安定しない人
・時間がなく、必要十分な公式と演習題で突破したい人
・英語など他の教科で勝負がかけられる人
・非常にクセが強いので注意。合わない人は合わない。
出口ルートは、河合ルートと真逆の特徴を持つ。解説の簡潔さがウリなのだ。*1
ボリュームはもっとも少ない。ただし繰り返してやるのは他のルートと同じだ。
何度も繰り返して解法公式を運用できるようになろう。
・出口汪 現代文講義の実況中継
この参考書を読んで、出口式が自分に合っているかどうかを確かめよう。合っていれば継続、合わなければ他のルートに変更をおすすめする。(時間がない人の変更は、④霜・田村ルートがおすすめだ)
継続する場合、内容が完全に頭に入るまで何回もやりこもう。
これが理解できればバイブル編が楽になるので、最低3周やろう。
・システム現代文 バイブル編
・システム現代文 解法公式集
実況中継を完全にものにしたら、この2冊をとことんやりつくそう。
まずバイブル編をすべて解き、2周目に入る前に解法公式集を読み込む。
バイブル編2周目では、バイブル編の記述が理解できているかはもちろん、解法公式集の解法が運用できているかを確かめるという意識で勉強する。バイブル編は2周をもって使用をやめ、過去問や演習編で紹介する問題集へ。演習や過去問では解法公式集をそばにおいて勉強しよう。
本当に時間がない私大受験生も、バイブル編+解法公式集+過去問で何とか戦える。
必要最低限の点数を取りにいく形になるが、システム2冊をちゃんと消化できれば効率のよい方法ともいえるだろう。ただし、お勧めは実況中継から始め、演習編で+1冊してから過去問(計4冊)だ。
④霜・田村ルート
こんな人に:「読むのは得意。でも解けない」
・偏差値60以上向け。
・「読むのはけっこう得意だよ」という人
・最難関私大を「解く」ということにフォーカスを当てて勉強したい人
・早稲田志望におすすめ。
・現代文読解力の開発講座
もし僕、リムが受験生に戻ったとして、
『難関私大に合格して。でも 「1冊しか現代文やっちゃだめ」』
と言われたらこれを選ぶ。
(※実際、究極に時間がない受験生は「開発講座」+過去問が最短ルートだろう。現代文がある程度読める人に限られた選択だが……)
初学者には向かないが、少し現代文が得意な人(「フィーリングで結構解けちゃうよ」「でも点数は安定しない」という人)にとてもお勧めできる。
「読みかた」の解説が凄まじい。間違った読みを確実に排除して、正しい方法を、僕らの体に入りこむようにやさしく提示してくれる。2~3回繰り返せば、フィーリングに頼って読まなくてはならない場面がぐんと減るだろう。
そして、「読みかた」を極めたら「解きかた」に注目できる参考書もやっておきたい。
・田村の現代文講義
それはこの2冊だろう。難関私大の入試の問題によくある問題の解法がたくさん押さえられている。(特に、早稲田大志望は2巻を絶対にやるべし)
さらに、選択式問題の解法が本当によくまとめられている。
例えば、「消去法は万能ではない」ことを知っているだろうか?他の受験生が陥りがちな、合っていそうだが実は間違った解法を正してくれるのがこの本だ。
問題演習を通じて自然に学ぶことができるのも大きい。
もちろん、一通り解いた後は四角く囲まれている解法だけもう一度確認することが必要だが。
⑤難関国立志望ルート
国立型の記述問題をやりたい人は「上級現代文」をやろう。
異常な解説の詳しさに加え、採点基準を意識する力のつく模範解答。記述対策に必携だ。
ただし、上級現代文自体がけっこう重いので、注意されたし。なお、自分の志望校の問題形式に合わないところは切り捨ててよい。
問題は、上級現代文にどこから接続するか。完全な記述式で、勉強時間がなければ、上級現代文だけでギリギリを戦うプランもありだが、かなり現代文ができる人向けだし、「読みかた」に不安が残る。だから、時間がない場合でも各ルートの
時間がたっぷりとれる場合→①~④の私大用ルート+上級現代文
時間があまりとれない場合→①~④のエッセンスを会得して+上級現代文
①~④のエッセンスが学べる参考書
・船口のゼロから読み解く最強の現代文
・入試現代文へのアクセス 基本編
・システム現代文 バイブル編 解法公式集
・現代文読解力の開発講座(一番おすすめ!)
「システム現代文」「読解力の開発講座」がおすすめ。
センター試験対策ルート
センターの現代文は難しい。しかも、特殊なのだ。
私大風の問題で点が取れてもセンターでうまくいかない人は多い。しかしこれは、
センター試験で最も不安定な現代文の点数を安定させてくれる本だ。
これを一度読めば、センターの問題のツボがとてもよくわかるだろう。
何回か繰り返して読解法を暗記し、過去問(本試のみでOK!)をやればセンターは十分だ。
評論も、小説も、センター試験に必要なことがここに凝縮されている。
特に小説の点数が安定しない、解き方がわからないという人は必ずやりたい本だ。
私大も受けつつ→①~④+「きめる!センター国語現代文」+過去問
二次も受けつつ→なら⑤+「きめる!センター国語現代文」+過去問
センターだけ→「きめる!センター国語現代文」+過去問
つまり、各ルートに「きめる! 」を足すのだ。
どうだろうか。(……読むのに疲れたでしょう。おつかれさまです。)
ぜひ大型書店で各ルートの1冊目の参考書をじっくり検討してみてほしい。
6つのルートの中に、きっと君に合うルートがあると確信しています。
このページ、本当に魂をこめて書けました。このページがきっかけで、
現代文が得意になって合格を勝ち取った!という人が生まれることを祈っています。
次回予告
【演習】編では、どのルートからでも接続できる、
志望校別の対策に効果抜群の問題集を紹介します。乞うご期待!
お読みいただきありがとうございます。
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*1:出口氏はたくさんの参考書を出していて、初学者用ルートも組めるのだが、そのような理由から、ある程度学力がある人向けにルートを構築した。