現代文勉強法:はじめに
現代文は、「勉強時間に比例して成績が伸びるわけではない」、扱いの難しい、言ってしまえば危険な科目だ。だから勉強法は非常に重要になってくる。
現代文の4要素
①[理解]読み方、解き方を理解する
②[演習]演習によって読解法を自分のものにする
③[背景]読むための背景知識、語彙を習得する
④[知識]読解に関係ない知識問題(漢字、文学史、慣用句など)の習得
①理解と②演習が要注意だ。③知識は習得量に応じて実力がついていくが、
理解、演習が正しく行われないと、成績が下がりさえする。
④知識問題は配点が高くない限り、直前期にちょっとやればよい。ほとんど配点が低いし、範囲も絞れないし、得点効率はサイアクだ。重要じゃないということだけ頭に入れてほしい。
[理解]読み方、解き方を理解する
理解→演習の順番は破れない
①→②はもちろん、演習→理解の順番で行わなければいけない。だから、まず現代文でやるべきは、正しい読み方、解き方の2つを学ぶことだ。(読めないと解けないから、特に読み方を重視しよう)
よほどの天才でない限り、自分なりの読解方法では問題文を読み切れないし、解き方も未熟で、落とす問題が出てきてしまう。演習をゴリゴリとこなす前に、読み方の矯正が必要だ。
理解に潜む無数の落とし穴
しかし、一番受験生が注意しなくてはいけないのが理解の段階である。
- 中身のない方法論に踊らされる
- 自分に合っていない解き方を習得しようとする(基本的に現代文の理解では一人の講師の参考書を使うが、それぞれ、多かれ少なかれ、クセがある。)
- 理解のプロセスを徹底的に追わず(理解を繰り返さず)、読み解き法の理解が不十分orズレた方法を身につけてしまう
などなど、落とし穴はいくらでもある。正しい参考書を厳選し、じっくりと取り組むことが落とし穴を飛び越える確実な方法だ。
一つの流派を極める
たくさんの方法論を抱え込むと絶対にパンクする。憶えた公式の多さが得点力ではなく、運用力が得点力になるからだ。
憶えるべき公式・方法は一つの流派(読解法)に絞り、それらを徹底的に自分の血肉とさせていく。このブログではいくつかの流派を紹介するので、本屋さんで参考書をたくさん見て自分に合う流派を見つけて入門してほしい。
[演習]演習によって読解法を自分のものにする
演習しながら読解法を確かめていく
直前期を除いた殆どの演習は、読解法を身につけるために行うものだ。
紹介する参考書は演習問題を通じて理解ができるようになっているものが多い。理解を進めている段階では、演習問題を2回解くというやり方も推奨したい。2回目は理解した知識が運用できているかどうかを確かめるのだ。
量だけを求めた演習は得点力を下げる
問題数をこなすことばかりに気を取られている人も多い。「読み慣れ」という名のもとに、量を重視した方針が取られることもあるが、それはナンセンスだ。一つの文章あたりにかけられる時間が減ると、どうしても読みは粗くなってしまう。おまけに、量をこなすと一度手に入れた読解法の復習もしづらくなるので、いたずらに量を増やすべきではない。質を確保できなければ、演習量は増やさない。
[背景]読むための背景知識と語彙を増強する
超重要単語は最初に習得
現代文の知識習得で、最初にやらなくてはいけないのは、筆者の主張を追うための超重要単語の使われ方を体得することだ。これは読解法の理解と同じく、いますぐ始め、なるべく早くやり終えたい。
ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾SERIES)
- 作者: 前島良雄,牧野剛,三浦武,吉田秀紀,後藤禎典
- 出版社/メーカー: 河合出版
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
- 購入: 18人 クリック: 42回
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この本で本当に重要なキーワードの使われ方を学ぶことができる。読解の準備段階でこのキーワード20個が自分の言葉で説明できるかどうかを確かめなければいけない。
なお、ことばはちからダ!が簡単すぎる人はこっち。最難関を狙う人は、ことばはちからダ!をやった人も、最終的にはこっちに移行したい。
背景知識を重視する
なぜなら、「キーワード読解」は、背景知識、頻出テーマの説明が充実しているからだ。
重要単語の暗記を無味乾燥なものととらえ、ただただ暗記するのは悪手だ。
重要単語がどんな文で使われるかがわかりやすいこの参考書で、入試頻出のテーマをつかみつつ単語の理解を深めていくのがもっとも効率的で、深いところに到達できる学習法だ。
知識問題に時間を使いすぎない
文学史、漢字、慣用句などの知識問題は配点が低い。自分の志望校で出る問題に合わせて直前期に少しやる程度でよいだろう。
漢字が読めないんです……という人(センターの漢字問題で3問以下しかとれない人)も、中学レベルの漢字まで復習しておけば十分だ。
このように、現代文は密度の高い勉強をじっくりと、ゆっくりとやっていこう。
ただし、やることは多くない。瑣末なことに手を出さなければ効率的に点が取れる。いろいろなことに手を出さないことがとても重要な教科だ。
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