英単語帳7冊徹底比較:単語を制して受験を制す
英単語を覚える意義
英単語を覚えるという、受験生ならあたりまえの作業も、なぜそれをやるのかを正確に答えられるだろうか?意図を考えて、さらに効果を上げていこう。リムなりのこたえはこちら。
①長文問題で分からない単語を少なくするため。
②和訳問題で正確な和訳をするため。
この二つではないだろうか。
なお、日本語→英語にする能力は思っているほど使わない。
英作文で使うじゃないか、というかもしれないが、英作文では例文暗記をするからそちらで力がつくし、語法がわかっていない単語を使うのは危険だ。英作文では、本当に基礎的な単語だけ使うことになるのだ。
だから、英単語帳のやり方はただ一つだ。英語→日本語が瞬間的に出てくるかどうか、○△×勉強法ですればよい。
○△×勉強法についてはこちら。
navigatortopass.hatenablog.com
おすすめ単語帳の紹介
では、お勧めの単語帳をいくつか紹介する。
①万人向けの「王道」システム英単語
- 作者: 刀祢雅彦,霜康司
- 出版社/メーカー: 駿台文庫
- 発売日: 2011/11
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 34回
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一番のおすすめ。ほかの単語帳と相性がいいと感じている人以外は、全受験生買うべき。推す理由がとても多い。
○評価できる点
・網羅性が抜群。(改訂でさらにボリュームup。)順番も純粋な頻度順なので、最初から憶えていけば長文の演習に効果がすぐに出てきて、英語の学習効率自体が上がる。
・1冊で完結するので、復習がしやすいし、あれこれ手をだして失敗しない。(※これを終わらせて余裕がある人は「リンガメタリカ」を少しずつやるのをおすすめしているが、単語帳はこの1冊と心中しても合格点が余裕で取れる)
・○×△法に最適。さらにミニマルフレーズがとても覚えやすく、△や×の単語をすぐに○に押し上げてくれる。
・センターまででいい、という人も3章までと多義語をやれば効率よく単語を終えられるし、自信をもって受験に臨める。
・多義語をこれだけ覚えればいい、というのが分かりやすい。
覚えなくてよいところは教えない姿勢がすばらしい。
・少し値が張るがカードにも対応。「単語王」の大きなメリットを奪い去った。
△評価できない点
・特にない。表紙がダサいくらい。(しかもカバーを外せば解決)
・強いて言うなら、「ジャンル別英単語」は多少憶え辛いけど、あれは憶えなくてもいいのであんまり関係ない。
と、いうわけで、僕は全受験生にシステム英単語を推します。終わり!
……というのは本当なのですが、ほかの単語帳もレビューします。もしかしたら、シス単が合わない人もいるかもしれませんし……
ただし、システム英単語を使わない理由はありませんから、ほとんどがシステム英単語の次の二冊目としての紹介ということになります。
②リスニングに強い、東大or外国語学部向きのDUO
- 作者: 鈴木陽一
- 出版社/メーカー: アイシーピー
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
- 購入: 197人 クリック: 3,012回
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- 作者: 鈴木陽一
- 出版社/メーカー: アイシーピー
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
- 購入: 152人 クリック: 474回
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これは単語帳に化けたリスニングの教材です。「復習用CD」を流せばリスニングの練習をしながら単語を覚えることができます。しかも60分で一冊終わるというスグレモノ。
リスニング重視の試験を課す大学を受験する人で、「聴き慣れ」したい人にはこれ以上ない教材です。シャドーイングや、パラレルリーディング(CDに合わせながら教材を見つつ音読)でリスニング力と単語力を同時に上げられます。
○評価できる点
・リスニング教材として最強。リスニング+単語で効率がいい。
・熟語も憶えられる点は素晴らしい。
・センターだけ受ける人で、リスニングに自信がない人に推せる
・例文がとっても面白い。憶えたくなる。使って数年経った今でも憶えているやつがある。
△評価できない点
・○△×勉強法のしにくさ。単語学習としての復習しにくさがネック。
・網羅性がない。これ1冊憶えても、長文でわからない単語は出てくるはず。
☆シス単との併用法
同時期にやる。シス単を中心に据える。DUOは復習用CDを3~4分割して集中し聴きこむとか。あくまでリスニング教材として使う。
③読み慣れが足りなくて、速読力が欲しいなら速読英単語
- 出版社/メーカー: Z会
- 発売日: 2010/10
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 42回
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- 作者: 風早寛
- 出版社/メーカー: Z会
- 発売日: 2015/03
- メディア: 単行本
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僕はこのタイプの単語帳は採用しなかった。「うーん、シス単で基礎単語力つけるのに集中してから長文演習のほうが全体としての効率がいいのでは?」と思ったからだ
それでも、長文の中で覚えたほうが記憶の持ちがいいよね!という人はどうぞ。上級編もあるけど、『リンガメタリカ』(後述)がとても良いので、それとかならず比較して、取り組むか決めること。(『リンガメタリカ』の単語が分からない人は『リンガメタリカ』をやるべき)
○評価できる点
・単語に対する印象は深くなる
・一応、○△×法も使える(やり辛さはあり)
・リスニングCDで、音読で速読力up(このブログのプランでは、必ずCD付きの教材で長文演習+音読をするから、そこまで重要ではない)
・受験に出そうな話題をつかめる
△評価できない点
・頻度順じゃないから、長文演習での効率がなかなか上がらない
・網羅性はシステム英単語より劣る。多義語も弱め
・学習に時間がかかるため、挫折可能性がけっこう高い
・○△×法の復習だけでは良さを発揮できない
☆シス単との併用法
併用は難しい。どちらか1本で。この単語帳にこだわりがある人。なお、速単で学習を進め、シス単を総チェックに使う方法は◎
④シンプルなターゲット1900
これがお気に入りの人はそのまま使って大丈夫!
- 作者: 宮川幸久,ターゲット編集部
- 出版社/メーカー: 旺文社
- 発売日: 2011/11/23
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 19回
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ターゲットは網羅性でも憶えやすさでもシス単に勝てない。昔はシス単より難易度が高いのが特徴だった。
(しかし改訂して、難易度が高い単語が削られて完全にシス単に良さをつぶされてしまった)
しかし、受験本番前の総復習にはこれ以上ないほど適している。
○△×法に最適で、それをゴリゴリやれば、自分の単語学習の穴を埋められる。
フレーズ方式でない分、ガチンコで憶えているか?いないか?と自分に問いかけることができる。そうやって使うほかない。
☆シス単との併用法
基本はシス単。これで受験前の総復習だ!
⑤2冊目におすすめ!リンガメタリカ
- 作者: 中澤幸夫
- 出版社/メーカー: Z会出版
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 11回
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- 作者: Z会出版編集部
- 出版社/メーカー: Z会
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 2回
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知る人ぞ知る、単語帳2冊目界のエース。
テーマごとの長文で、英語や現代文、小論文で問われやすいテーマを学びつつ(しかもテーマごとに解説をしてくれる!)
小論文が出る難関志望者はぜひ。そうでなくても、現代文の力まで伸ばしてくれる便利屋だ。しかも単語のチョイスも基本を押さえた人向き。
☆シス単との併用法
シス単が終わったら。シス単をメンテしつつ、数項ずつ読んでいく。単語は○△×でやるが、自信のない人は単語はシス単にすべて委ね、長文を読んでテーマ解説を読む、でよい。
⑥英語が難しい大学志望者へ、極めたいならデータベース5500
2冊目界の王道。
シス単より難しい単語が並び、シス単との激戦に打ち勝った受験生の知識欲を満足させてくれる。だが、注意してほしい。
これをやっているうちに、シス単の単語を1つ忘れたら、ここにある単語10個憶えても赤字だ。
だから併用法が肝心となる。
☆シス単との併用法
シス単のメンテが毎日行える人のみ使用してよい。シス単のメンテを行って、余った時間でやろう。ボリュームもそこそこあるので、時間に注意。どこまでやりきれるか考えてやろう。
⑦システム英単語のライバル?単語王
システム英単語よりボリュームがあり、派生語も豊富だ。
しかし派生語が多いということは、最も出る基本語を忘れるリスクが大きいということでもある。さらに、シス単に比べて時間がかかり、使いどころが難しい。シス単を2年生で終わらせた受験生が取り組む、という使い方が一番現実的だろうか。(ほかの勉強もそれなりに終わっていなければならない)
シス単で早慶の内容一致が満点取れたことを考えると、相当高いレベルを求める人に向いていそうだ。合格確実で、横綱相撲を取りたい人はどうぞ。
メンテナンスは超重要
どの単語帳を使うにしても、毎日単語の学習を行いたい。
1日200語くらいに目標を設定して、30分くらいでそれを覚えきるのだ。
○△×法なら不可能ではない。
勉強が進み、単語帳が一冊終わっても、そのペースは崩さない。しかも分かり切っている単語ばかりだから、1章を30分くらいで確認できる。(これがメンテナンスだ)メンテナンスを怠れば、基本単語を忘れて痛い失点が待っている。2冊目に行くのはメンテを何回もやって、自信をつけてからだ。(そして2冊目をやっている間も、1冊目のメンテするべきだ。)
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