【戦略2】自分のイマの学力と志望校をつなぐ
スタート地点はどこ?
過去問の分析はうまくいっているだろうか。
過去問が解ける(≒本番で勝つ)ということが目標、ゴールだ。
navigatortopass.hatenablog.com
この前回の記事で述べたが、もう一度その意識を高めていこう。
さて、ゴールが決まったら、スタート地点も決めなくてはならない。
スタートとゴールを最短距離で結ぶことが合格の近道だ。
ゴールが決まったのだから、ここで重要なのはスタート、すなわちいまの学力。それを正確に測る必要がある。
受験で失敗するパターンのうち多くは自分の実力を過信した「背伸び勉強」だ。もちろん予備校生にも多いが(予備校や学校は君だけのために勉強プランを立てていたら運営できないからだ。)
もし独学するのであればなおさらそこに気をつけなければいけない。誰も自分の間違いを止めてくれないのだから。自分で「ナンカ……コレジャナイ……」と気づく必要がある。
間違いを侵さず、自分のスタート位置をしっかりと決めるためには自分の実力を正確に測るのが一番だ。
模試の結果+過去問の要素別チェック
自分の実力を測ると聞いて、きっと多くの人は今の模試の偏差値を参考にし判断することだろう。何回か模試を受けているならそれも参考になるかもしれない。しかし、見方には気をつけなくてはいけない。(模試の結果を絶対視してはいけない)模試の成績表の見方で気をつける点は2つある。
①厳しく見るべし
各大学の個別模試でもない限り、偏差値60を下回っている科目は基礎的なことがけっこうボロボロという意味だ。50を下回っている場合は、その科目は初めからやり直さなくてはいけないということを意味すると思ってもらってよい。
②細かいところは発見できない
また、センター模試ではセンター形式の問題(これは結構似ているだろうが)、記述模試なら国立「風」の問題で、それ以外の問題についてはどこがどうできていないのかが浮かび上がってこない。個別の試験に対する評価基準として模試は弱い。
各教科が大体どのくらいできているか……そのくらいの情報しか入ってこないのだ。入試当日に出る問題(しつこいかもしれないが、それはきっと過去問に似ている問題だ)と違えば違うほど、模試のデータは使えない。
このような曖昧なデータだけでは勝つための情報が足りているとは言えない。
スタート位置を見極めるにも、過去問を利用(模試も併用)しよう。
模試より重要な情報源になりうる。ゴールを見据えてスタートを決めるのだ。
①解いた過去問の点数を見てみよう。(配点がわからないひとは調べよう。それでもわからないなら、予想してみよう。勉強していくうちに配点が正確に予想できるようになってくるはずだ)
各教科ごとにどのくらい自分は出来ているか。
教科の点数が見れたら、各単元ごとに正答率を出してほしい。一言コメントをメモっておくのもいいだろう。
「英語長文:全然ダメ」、「現代文:偶然かもしれないが大問一個だけ半分解けた」、「日本史:何言っているかわからん」、とかこんな感じ。
②志望校の問題を解くうえで課題になることは何か書き出そう。
たとえば、僕が10月に宅浪を始めた時の英語ならこんな感じだ。
なお、すでに過去問を解いていたので、項目が細かく分けられている。これが重要。以下の記事参照。
※僕は再受験生ゆえ勉強のスタートラインが少し特殊な位置(正直、スタートとしては高めかも)にあったのだが、どう要素を分解して、対策を立てたかの方法だけ見てほしい。
- 単語・熟語:センターレベルくらいならほとんどわかるが、基礎だと思う単語にも少し穴がある。熟語はほぼ忘れている。→イチから始めなくてはいけない。長文演習の効率に影響するので急ピッチで進める
- 構文解釈:簡単な構文なら分かるが、長い文になるとよくわからない。理解できないし訳せてない。そこで時間もかかる。→過去問に出てくる文の構造を理解できるようになるまで、解釈の参考書をやる必要がある
- 長文読解:400words以上の問題を解く集中力がない。センターくらいの難しさなら8割以上とれるが、完璧ではない。→センターより少し難しい文章(マーチの過去問を収録している問題集)から始める。配点がいちばん高いのでここにたくさん時間をかける
- 会話:難しいと思ってたけど割と解ける。もう少し会話表現を学べば十分。配点も低いので重視しない
- 要約:まったく分からない。→要約の方法を参考書で学ばないとマズイ、正確な文を構成するために多少の例文暗記も必要……なのかも?(後に必要と確信)
このように、自分の強化ポイントと具体的な課題を繋げることがポイントだ。
この見本はいま僕が後から思い出して書いたものなので整理されている。ここまで分析できないかもしれないが、自分なりにめいっぱいやってほしい。何が課題か微妙なところは微妙としておこう。勉強が進めば課題が必ず見えてくる。
中学レベルに戻らなくてはいけないかもしれない
僕の場合は現役のときに(非効率的ながら)がむしゃらに勉強していたので、2年のブランクがあったものの、「一つもわからない」という教科はなかったが、もしかしたら君には致命的に点数の低い教科があるかもしれない。そういう場合は、分かるところまで戻って始める必要がある。絶対に。
たとえば僕は数学が苦手な典型的な文系だが、数学がもし受験科目に入っていたら、
まずどこでつまづいていたかを明らかにするところから始めるだろう。
そして、つまづいたところから始めるのだ。それが小6の単元であろうがだ。
受験勉強は逆算して行うべきだが、それはルートを決める時の話だ。
実際の勉強では、逆から滑り落ちることはできない。一番低いところから一歩ずつ登っていくしかない。一段飛ばしもスタート位置のごまかしもできない。それは結果的に遠回りになるだろう。自分の実力ややるべきことの認識に欠けた「カッコつけた勉強」は君の運命を悪い方向に変えてしまうから、どうかやめてほしい。